
伊勢神宮は、日本で最も格式の高い神社の一つであり、内宮(ないくう)と外宮(げくう)の二つの主要な宮から成り立っています。
内宮には天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、外宮には豊受大御神(とようけのおおみかみ)が祀られており、それぞれ異なる役割や特徴を持っています。
内宮と外宮は、建築様式や社殿の配置、参拝の慣習、祭祀の方法などに違いがあり、日本の神道の中心的存在として古くから多くの人々に崇拝されてきました。
その格式の高さと神聖な雰囲気は、訪れる人々を魅了し続けています。
伊勢神宮の内宮と外宮の違いは場所

伊勢神宮の初心者の方が戸惑うことの1つが、内宮と外宮がけっこう離れた場所にあることです。まずは、上記の地図をチェックして下さい。
見て頂くと一目瞭然ですが、外宮と内宮は距離にして「約5km離れた場所」にあります。内宮と外宮の移動時間は以下のようになります。
- 車での移動:約10分~12分
- バスでの移動:約10分~17分(経由地によって異なる)
- 徒歩での移動:約50分~60分
一般的な神社は、同じ場所か近くにあるので、離れた場所にあることに驚く人が多いです。
おかげ横丁は内宮の近く
食べ歩きで有名な「おかげ横丁」は、伊勢神宮の内宮の近くにあります。外宮の近くにあると思ってる方がたまにいるので、ご注意下さいね。
ちなみに、外宮には、最寄り駅からの参道に、「外宮参道」と言う別の食べ歩きスポットがあります。そちらもおすすめなので、ぜひ行ってみて下さいね。
伊勢神宮の内宮と外宮、祀られている神の違い
内宮:天照大御神(あまてらすおおみかみ)
内宮には日本神話における最高神である天照大御神が祀られています。天照大御神は太陽の神であり、日本皇室の祖神としても崇拝されています。内宮は天皇家との深い繋がりを持ち、日本全体の安寧と繁栄を祈る場所としての役割を果たしています。
外宮:豊受大御神(とようけのおおみかみ)
外宮には食物・衣食住を司る豊受大御神が祀られています。この神は、天照大御神の食事を司るために丹波から招かれたと伝えられています。外宮では神饌(しんせん)の供え方が特に重視され、食の神としての側面が色濃く表れています。
建築様式の違い
伊勢神宮の社殿は「唯一神明造(ゆいいつしんめいづくり)」という、日本最古の神社建築様式で統一されていますが、内宮と外宮には細かな違いがあります。
鰹木(かつおぎ)の数
- 内宮:御正宮の屋根には10本の鰹木が並んでいます。
- 外宮:御正宮の屋根には9本の鰹木があります。
鰹木の本数は神社の格式や神格を示すとされ、内宮の天照大御神の格式の高さが表れています。
千木(ちぎ)の形状
- 内宮:千木は「内削(うちそぎ)」と呼ばれ、地面に対して水平に切られています。これは女性神を象徴するとされています。
- 外宮:千木は「外削(そとそぎ)」で、垂直に切られています。これは男性神を象徴するとされます。
この違いは内宮と外宮に祀られる神の性質を反映していると言われています。
社殿の配置と構造の違い
御饌殿(みけでん)と外幣殿(げへいでん)
- 内宮:御饌殿は存在せず、外幣殿が板垣の外に配置されています。
- 外宮:御饌殿と外幣殿が板垣の中にあり、豊受大御神への神饌が重視されています。
この配置の違いは、外宮が食物神である豊受大御神を祀っていることに由来します。
参拝の慣習の違い
伊勢神宮を参拝する際には、「外宮先祭(げくうせんさい)」という伝統があり、まず外宮を参拝し、その後に内宮を参拝するのが正式とされています。
この順序は、天照大御神に仕える豊受大御神を先に訪れるべきという考え方に基づいています。
参道の通行方法
参拝の際の通行方法にも違いがあります。
- 外宮:左側通行
- 内宮:右側通行
この違いは、手水舎(ちょうずや)や御手洗場(みたらし)の位置によるものです。
外宮では参道の左側に御手洗場があるため左側通行が慣例となっております。
別宮・摂社・末社の違い
伊勢神宮には御正宮のほかにも多くの別宮(べつぐう)、摂社(せっしゃ)、末社(まっしゃ)が存在し、それぞれに異なる神々が祀られています。
外宮の別宮
外宮には「多賀宮(たがのみや)」や「土宮(つちのみや)」などがあり、特に多賀宮は豊受大御神の荒魂(あらみたま)を祀る重要な別宮です。
多賀宮は、外宮に所属する四別宮のうち、第一に位しています。殿舎の規模も他の別宮よりも大きく、正宮に次ぐ大きさです。ご祭神は、豊受大御神の荒御魂。
引用元:神宮
内宮の別宮
内宮には「荒祭宮(あらまつりのみや)」や「風日祈宮(かざひのみのみや)」があり、特に荒祭宮は天照大御神の荒魂を祀るため、内宮参拝の際には特に重要視されます。
荒祭宮は、内宮に所属する十所の別宮のうち、第一に位しています。殿舎の規模も他の別宮よりも大きく、正宮に次ぐ大きさです。
引用元:神宮
祭祀と神事の違い
伊勢神宮では年間を通じて多くの祭祀が執り行われていますが、内宮と外宮ではその内容に違いがあります。
外宮の祭祀
豊受大御神に供えられる神饌が重視され、祭祀の際には厳格な規定に基づいて準備されます。食物の神としての役割が強調されています。
内宮の祭祀
天照大御神を中心とした祭祀が行われ、日本全体の繁栄と安寧を祈願します。特に新嘗祭(にいなめさい)や神嘗祭(かんなめさい)では新穀を奉る重要な儀式が行われます。
まとめ
伊勢神宮の内宮と外宮は、それぞれが異なる神を祀り、独自の役割と伝統を持っています。
祀られている神様、建築様式、社殿の配置、参拝の慣習、祭祀の方法など、多岐にわたる違いを知ることで、伊勢神宮の深い歴史と神道の精神をより一層理解することができます。
訪れる際には、これらの違いに思いを馳せながら参拝し、日本文化の奥深さを感じてみてはいかがでしょうか。