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【初心者向け】高野山のおみくじを引く前に知っておきたい大切なこと

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高野山は、和歌山県北部に位置する日本有数の聖地であり、真言宗の開祖・空海(弘法大師)によって開かれた霊場です。

1200年以上の歴史を持つ高野山は、世界遺産にも登録されており、国内外から多くの参拝者や観光客が訪れます。

そんな高野山で、訪れた人々の多くが体験するのが「おみくじ」です。高野山のおみくじは、ただの運勢占いではなく、深い歴史と宗教的意義が込められた特別なものです。

今回は、高野山のおみくじの魅力やその背景について詳しくご紹介します。

高野山のおみくじは、ただの占いではない!それは弘法大師の教えと“つながる”体験

高野山で引くおみくじは、一般的な神社や寺院での運勢占いとは一線を画します。そこには、単なる吉凶ではなく、弘法大師・空海からの「導き」や「問いかけ」としての意味が込められているのです。

空海は、平安時代に密教を日本へと伝えた、日本仏教史上における最大の叡智者のひとり。

真言宗を開き、高野山を修行の根本道場として築いた彼の思想は、1200年を経た今もなお、人々の内面に静かに語りかけ続けています。

そんな弘法大師の教えにふれるための“入口”のひとつが、高野山のおみくじです。

このおみくじには、「大吉」「凶」といった言葉の奥に、人生における学びや気づき、そして魂の成熟を促す仏教的な視点が宿っています

人生における学びや気づきが宿っている

たとえば、

  • 「大吉」ならば「あなたの心は今、道と調和している。謙虚にその歩みを続けなさい」
  • 「凶」であれば「執着を手放し、いまこそ本質に立ち返る時だ」と静かに語りかけてきます。

このように、高野山のおみくじは、結果に一喜一憂するためのものではなく、自分自身の心と深く対話するための“鏡”であり、道標”としての意味を持ちます。

それは、まるで弘法大師がそっとあなたの肩に手を置き、「今のあなたにとって、いちばん大切なことは何か?」と問いかけてくれているような体験。

そのようなスピリチュアルな奥行きこそが、高野山のおみくじを「特別なもの」としている理由なのです。

高野山でおみくじが引ける神聖な場所たち

壇上伽藍(根本大塔・御社そば)

高野山の中心地ともいえる壇上伽藍は、真言密教の宇宙観を具現化した聖域。空海がこの地に最初に築いた根本道場の面影を今に伝えています。

その中でも、根本大塔のふもとや御社(みやしろ)周辺では、参拝の余韻の中でおみくじを引くことができます。

朱塗りの堂塔を背に、澄んだ空気のなかで手にする一枚の紙は、まるでこの地そのものがあなたの内面に語りかけてくるような感覚に包まれることでしょう。

引いたあとのおみくじは、御社近くに設けられた結び所に納めることができます。結ぶことは、願いを天に託す行為であり、自身との静かな約束でもあります。

また、心に留めておきたい方のためには、丁寧に折って持ち帰るための箱もそばに設置されています。

奥之院・御供所(ごくしょ)

高野山で最も神聖な地、それが奥之院。ここには、今なお入定し瞑想を続けていると信じられている弘法大師・空海が眠ります。

参道を歩くごとに、空気は次第に静まり返り、周囲の杉の巨木がそっと心を整えてくれるような感覚を覚えます。

御供所(ごくしょ)では、おみくじのほか、護摩祈祷や納経の受付が行われており、まさに“願いと祈り”が交差する場所です。

この場で引くおみくじは、言葉ひとつひとつが心の奥底に深く響きます。まるで空海が、今のあなたに必要な「言葉」を選び、そっと手渡してくれたような、そんな特別な意味合いを持つことでしょう。

高野山のおみくじの引き方と心構え

高野山のおみくじの引き方は、一般的なおみくじと同様に、賽銭を納めた後、おみくじを引きます。

しかし、高野山では、おみくじを引く前に手を合わせ、弘法大師に祈りを捧げることが推奨されています。

これは、おみくじが単なる運勢占いではなく、弘法大師からのメッセージとして受け取るべきものだからです。

引いたおみくじには、運勢の吉凶だけでなく、具体的なアドバイスや仏教的な教えが書かれています。その内容をよく読み、自分の生活や心の状態に照らし合わせて考えることが大切です。

もし「凶」や「小吉」といった結果が出たとしても、それは単に運が悪いという意味ではなく、今の自分がどのような心構えで物事に取り組むべきかを教えてくれるメッセージと捉えることができます。

高野山でおみくじを引いた人の体験談

1. 「大吉」に励まされた、迷いの中の一歩(40代女性・会社員)

金剛峯寺で引いたおみくじは「大吉」。そこには「努力を続けることで、道は自ずと開ける」と書かれていました。仕事で転職を迷っていた私は、この言葉に背中を押され、環境を変える決断ができました。いま振り返ると、あの一枚が人生の大きな転機になったと感じています。

2. 「凶」が教えてくれた心の整理術(30代男性・自営業)

奥の院で引いたのは「凶」。正直なところ落ち込みましたが、内容には「執着や慢心を離れ、今こそ心を正すとき」とあり、自分の焦りや過信に気づかされました。それ以来、朝の座禅を日課にし、内面と向き合う時間を持つようになりました。

3. 「吉」のおみくじに込められた“ゆるし”の言葉(60代女性・主婦)

壇上伽藍で引いたおみくじには「吉」と書かれ、「他者を受け入れることで、己の心も和らぐ」との一節がありました。娘とのすれ違いに悩んでいた私は、その言葉に導かれるように、まず自分から歩み寄ってみようと思えたのです。今では月に一度、一緒にお参りをする仲に戻れました。

4. 「末吉」に込められた“焦らぬ力”(20代女性・学生)

根本大塔での参拝後、引いたのは「末吉」でした。書かれていたのは「芽は静かに育ち、やがて花開く。今は学びに徹すべし」という内容。進路に悩み、焦っていた私にとって、これはまさに心を落ち着けるメッセージでした。お守り代わりに財布に入れ、迷った時に読み返しています。

5. 「中吉」に学んだ、自然体であることの大切さ(50代男性・会社経営)

宿坊で引いたおみくじには「中吉」とあり、「無理に求めず、調和を大切にすれば物事は整う」とありました。常に上を目指して頑張りすぎていた自分に、休息と受容の大切さを気づかせてくれる内容でした。いまは「ちょうどよさ」を意識するようになり、心も身体も楽になりました。

このように、高野山のおみくじは、運勢の結果だけではなく、仏教的な言葉を通じて、私たちの生き方に問いを投げかけ、やさしく軌道を整えてくれる存在です。

それは、単なる運勢の占いではなく、読む者の魂に語りかけてくる「導きの書」と言えるでしょう。

おみくじから学ぶ「定」の心

おみくじは、私たちの外の現象を判断するのではなく、自分の内へと向き合うための一つの手段です。たとえ、悪い結果だと感じても、その裏には仏教の視点に経った「定」の心が使われているのです。

危機を言葉にすれば心は見え、答えはすでに自分の中にある。

そんな「スピリチュアルな成長」を支えてくれる、高野山のおみくじの体験は、まさに高野山の魅力の第一歩といえるかもしれません。