
鹿島神宮の森の奥深く、静かに佇む不思議な石「要石(かなめいし)」。地表に見えるのは小さな石ですが、実は地中深くに広がる巨大な本体があると言い伝えられています。
昔から「この石が地震を起こす大鯰(おおなまず)を押さえつけている」と信じられてきた、日本屈指のパワースポットです。
この記事では、要石の場所・伝説・科学的視点・参拝のポイントなどをわかりやすくご紹介します。
要石とは?鹿島神宮にある不思議な石
場所はどこ?本殿から奥宮へ向かう途中にあります
要石は、鹿島神宮の奥宮へ向かう森の中にあります。本殿から徒歩5分ほど。道中には案内板もありますが、少し見落としやすいのでご注意を。
要石までの行き方(徒歩ルート):
- 表参道から楼門をくぐり本殿に参拝
- 本殿の道を奥宮方面へ進む
- 奥宮付近で「要石 →」の案内板を右へ
反対側に行くと、「御手洗池」もあるので、あわせて訪れるのがおすすめです。
見た目は地味。でも中身は“日本最強クラス”の伝説石
地表に出ている部分は高さ10cmほどの小石。中央がへこんだ形が特徴的です。
しかしこの石は──
地中深くまで続く巨大な岩の先端で、地震を起こす大鯰の頭を押さえている
という言い伝えがあります。
実際、江戸時代の水戸光圀(水戸黄門)がこの石を掘らせたところ、「何日掘っても底にたどり着けなかった」と記録に残っています。
要石の伝説:日本最古の“地震封じ”の神話
■ 地震を起こす大鯰を封印する石
古代日本では「地震は地中に潜む鯰(ナマズ)が暴れることで起こる」と信じられていました。
そして──
- 鹿島神宮の武甕槌大神(たけみかづちのかみ)が
- 巨大な要石で大鯰の頭を押さえつけた
という伝説が生まれたのです。
人々の恐れと祈りが込められた神聖な石。それが要石なのです。
■ 香取神宮とペアで地震を封印?
実は、香取神宮(千葉県)にも同じ名前の「要石」があります。
- 鹿島神宮 → 凹型で鯰の“頭”を押さえる
- 香取神宮 → 凸型で鯰の“尾”を押さえる
この2つの石が地中でつながり、地震の元凶である鯰を前後から封じているという伝承もあります。
科学的にはどうなの?要石の正体に迫る
- 要石が埋まっているのは「関東ローム層」という硬い火山灰地帯
- 実際に掘っても岩盤に突き当たるため、底なし伝説が生まれた可能性も
ただ、科学で説明できない不思議な信仰の力も、この場所には息づいています。
ご利益・スピリチュアルな魅力
要石は、こんな願いにご利益があるとされています:
- 地震除け・災難除け
- 家内安全・安産祈願
- 不動心・精神安定
静かな森の中にひっそりとたたずむ石の前で深呼吸し、心を整える──
それだけで「見えない力に守られているような安心感」が得られる場所です。
見学のポイントと参拝マナー
参拝の際の注意点
- 石には触れず、静かに手を合わせましょう
- 写真撮影はOKですが、周囲への配慮を忘れずに
- 森の中は滑りやすい道もあるので、歩きやすい靴で
鹿島神宮 七不思議のひとつ
要石は、鹿島神宮に伝わる「七不思議」のひとつとして知られています。
他にもこんな不思議な場所があります:
- 御手洗池(湧水なのに水深が一定)
- 鈴の鳴らない鈴の木
- 根が浮いた松 …など
要石とあわせて、七不思議を巡るのもおすすめです。
鹿島神宮へのアクセスと周辺情報
■ アクセス方法
電車の場合:
JR鹿島線「鹿島神宮駅」から徒歩約10分
車の場合:
東関東自動車道「潮来IC」から約15分
※周辺に無料・有料駐車場あり
■ 周辺のおすすめスポット
- 奥宮(本殿より古い霊地)
- 御手洗池(透明な湧水と水占い)
- 鹿島灘海浜公園(太平洋を望む絶景)
- 鹿島神宮 宝物館(刀剣や武具の展示)
まとめ
鹿島神宮の要石は、見た目は地味でも、心に強く響く神秘の存在です。
- 地震封じの伝説
- 科学でも解き明かせない構造
- そして、訪れた人の心を静かに整える不思議な力
ぜひ実際に足を運び、石の前で自分の目と心で体感してみてください。それはきっと、あなたにとって特別な“癒しと守護”の時間になるはずです。